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第二章
~クーリエジャポンについて~ |
河野 |
なぜ「クーリエ・ジャポン」をつくろうと思ったんですか? |
古賀 |
『9・11』(2001年の米中枢同時テロ)のときにはパリにいたんです。
そして、現地の報道で一番優れていたのが『クーリエ・アンテルナショナル』だった。
世界各地の見方を伝えていて、おもしろかった。
日本には、米国の見方を伝える雑誌はありますが、世界中のジャーナリストの意見を日本人が選んで伝える雑誌はなかったからですね。
普賢岳でも感じましたが、現地の見方は現地のジャーナリストにはかなわない。
将来は、クーリエ・コリアやチャイナもつくりたいですね。 |
河野 |
編集作業はどう行うのですか? |
古賀 |
まず、特集やコラムなど、外部スタッフを含めて四十人ぐらいが世界中のニュースをチェックする。
その中からおもしろいものを選んで翻訳する。
英語や仏語だけでなくアラビア語やペルシャ語もある。
週1回編集会議を開きますが、ラインアップを決めるのは発売2週間前。
当然、大きな出来事が発生したら差し替えます。 |
河野 |
編集長として大変なことは? |
古賀 |
記事を選ぶのが大変です。
世界200のメディアの何10万という記事に目を通して40、50を選びます。
一人では何もできません。
スタッフの力を借りて、彼・彼女らの力を生かします。
自由にやらせて細かいことは言わずに、大まかな方向付けだけするのが、
編集長の仕事ですね。 |
河野 |
現時点での「クーリエ・ジャポン」の評価は? |
古賀 |
創刊号は20万部が完売した。
全く新しいジャンルの雑誌だと思ってますが、
『読みたいと思っていた読者がいたんだ』と手応えを感じています。
購読者層は、30代~40代前半の女性が4割と一番多いようですね。
男性はビジネスマンが中心です。 |
河野 |
これからどういった雑誌にしていきたいですか? |
古賀 |
名前が認知されて、『クーリエは何を伝えたいのか』と気にしてくれる雑誌にしたい。
複眼的な視点を持って、わかりやすい日本語で伝えたい。
加えて、書いている人の顔が見えるような、世界を身近に感じられる手助けができればいいですね。
旅するようにニュースを楽しんで欲しいと思います。 |