さがんもん
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プロフィール
第二章
~俳優という仕事~
母の勧め
河野
俳優という職業を選んだきっかけは。
村井
人見知りする性格を心配した母親から、高校入学を機に演劇部に入るよう勧められた。
だけど、どうしても部室に入れなくて、姉の同級生の演劇部員が教室まで迎えにきてくれた。
これが四十年近い俳優生活の第一歩となった。
演劇なんて見たこともなかったけど、入部してからは、後に俳優座の先輩となる辻萬長さんから、発声など演劇の〝いろは〟をたたき込まれた。
自分を内部までみつめる
河野
高校卒業後、東京の俳優座に入った理由は。
村井
(一年先輩の)辻さんがいたから。それに、仲代達矢さん、山崎努さんなど映画であこがれの俳優が出身だった。
在籍した三年間は演劇に必要なすべて、朗読、発声、肉体訓練に明け暮れた。都会出身者相手に負けまいとして、精神的には疲れもあった。
河野
俳優という仕事の魅力は何ですか。
村井
最大の魅力は、自分を内部まで見つめること。
嫉妬心や悲しさなど弱い部分を引き出したりしないと役作りはできない。
つらい作業だが、自分を見つめることがここまでできる仕事はあまりないと思うし、おもしろい。
俳優はスターではない。
嫌な部分も見せないといけない。
冷静に分析して自分のなかの本当の感情を出さないといけない。
取り繕って見せる芝居は真実ではない。
芝居はするな
河野
自分を見つめる作業から逃げたくなることはないですか。
村井
四十歳代のときに逃げ出したことがある。
十二年前の舞台『蜘蛛も女のキス』ではゲイの役を演じたけど、ゲイは自分の内になかった。どうやって探し出そうかとゲイのまねをしても、厳しい米国人演出家は許さない。
演出家は『芝居はするな、存在しろ』と言うんだ。
その人の生い立ちや性格など、意識にないところから作り上げる。
耐えきれず三日目にはけいこ場に行かなかった。
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