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第二章
~佐賀というブランド~ |
岡 |
「海外でロケをしているときに、カメラマン、スタイリスト、デザイナー、つまり、アート関係の人に会うことが多くて、日本の何処で生まれたのか、って質問があるんだよね。
日本の文化というものに興味がある人が多くて。
佐賀って言うと、葉隠のことを知ってるんだよね。だから、彼らは日本のエッセンスな奴に会ったみたいになって、色々質問してきて・・・。
結局、何にも答えられなくて困ることもある。(笑)
だから、意外と、日本が好きな外国人にとっては、佐賀って言ったらすごいよ。
とりあえず、HAGAKUREって言われるからね。
それが、30歳くらいのニューヨークに住んでるヘアメイクだったりするわけですよ。
だから、意外と知られてるよね、佐賀って・・・。」 |
角 |
「あと、陶磁器ってのもありますよね。」 |
岡 |
「いや、葉隠の方が全然知ってるよ。」 |
角 |
「えーっ、そうなんですか。」 |
岡 |
「不思議の国、日本をさあ、支えてる背骨でしょ。武士道ってのは・・・。
その武士道というのが何なのかっていうとき、佐賀は絶対に知っている単語なんじゃないかな。だから、結構それを活用させてもらってますね。何かしろって言われても、佐賀の奴はそんなことしないって言ってね。・・・(笑)
ジャズが好きな奴はニューオーリンズに行ったことないけど、まずは想像するじゃない。
フランスが好きな奴はモンマルトルの丘を思うよね。
外国人で日本を好きな奴は、まず佐賀のことを思うわけですよ。 |
角 |
「(大笑)」 |
岡 |
「イヤ、ホント・・・。(笑)
もちろん、経済の人じゃなく、美しさは何かというテーマな人たちの話なんだけどね。
でもね、戦後5、60年でさ、欧米化すること、どこの国の人間か分からなくなることが国際化っていわれているけどさ・・・。
日本を守るっていうのは、どこの国の人間か分からなくなることじゃなくてさ、突き詰めるってことかもしれないね。守り方とか僕には分からないんだけどね。
対極にあるものだよね、国際化と葉隠っていうのは。逆の行動だよ。(笑) |
角 |
「でもそこが面白いんですよね。」 |
岡 |
「俺もそれが面白いなと思うんだよね。」 |
ブランド |
岡 |
「この11月にね、新しい本を出したんですよ。ブランドっていう、僕と吉田 望っ
って友人との対談式の本なんだけど・・・。この本ね、広告の本ではめずらしく少々売れてるんですよ。」 |
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* 対談は、‘02.12.16に行いました。 |
角 |
「ブランドってわかりづらいですよね。」 |
岡 |
「わからないよね。佐賀ってブランドもある。東京ってブランドもある。
で、僕は佐賀ってブランドが躊躇なく好きなんですが、もっと深く関わっている君たちが、躊躇あること、ただ、ぬぐえないものとして自分の中にあるわけだし。
本の中でもいっているんだけど、ブランドっていうのは3つの要素でできてるんですよ。
1つはね、人を驚かす事実があること。ウォークマンなんかがそう。
2つ目は、不変の哲学、思想があること。それは佐賀にあるかもしれない。
3つ目は、おもてなしの心遣いがあること。
佐賀には割りと1つ目がない。紹介しないから・・・。
でも、僕が思っている中には、人を驚かすことって意外と佐賀にはあるんだよね。
例えば、あの唐津の海なんてすごくきれいだ。」 |
角 |
「きれいですよね。」 |
岡 |
「信じられないくらいきれいだよ。
だけど、見たことのある奴はみんなそういうけど・・・。アピールしないよね。
呼子のイカなんてすごいうまいのにさ。
佐賀空港に着陸する時に見える田んぼの美しさもある。
お茶もおいしいし、まるぼうろもうまい。
ラーメンだって、博多よりおいしいと思う。
そういうことって、県外の人、特に関東圏の人はほとんど知らないんだよね。」 |
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